財用
ざいよう
名詞
標準
文例 · 用例
即ち他力を以て、或は其の凸凹を有用的にし、或は其の表面を裝飾的にすれば、其の石は建築用、或は器財用として用ひらるゝに至るので有らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
彼に言わせると、あの聖徳太子が仏教をさかんに弘めたもうてからは、代々の帝がみな法師を尊信し、大寺大伽藍を建てさせ、天下の財用を尽くして御信心が篤かったが、しかし法師の方でその本分を尽くしてこれほどの国家の厚意に報いたとは見えない。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
財用を濫り民を殺し法を亂して而して亡びざる國なし。
— 田中正造 『亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問』 青空文庫
財用を紊つて、民を殺して、法を亂して亡びないと云ふものは、私未だ曾て聞かないのでございます。
— 田中正造 『亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問』 青空文庫
財用を濫り民を殺し法を乱して而して亡びざるの国なし、これを奈何。
— 木下尚江 『政治の破産者・田中正造』 青空文庫
朝から酒をくらって遊び歩き六千石の大身でありながら、少しの金の蓄えもなくいつも財用不足勝ちであった。
— 佐藤垢石 『酒渇記』 青空文庫
故に國家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損じて下を虐たげぬもの也。
— 西郷隆盛 『遺訓』 青空文庫
道の明かならざる世にして、財用の不足を苦む時は、必ず曲知|小慧の俗吏を用ひ巧みに聚斂して一時の缺乏に給するを、理財に長ぜる良臣となし、手段を以て苛酷に民を虐たげるゆゑ、人民は苦惱に堪へ兼ね、聚斂を逃んと、自然|譎詐狡猾に趣き、上下互に欺き、官民敵讐と成り、終に分崩離析に至るにあらずや。
— 西郷隆盛 『遺訓』 青空文庫