喨々
りょうりょう
形容詞-たる副詞-と
標準
clear and bright (sound)
文例 · 用例
」と綾子は耳を欹てたり、戸外にて喨々と二声三声、犬は疾風のごとく駈出だして、「変だ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
彼處のは、横に靡いて婉轉として流を操り、此處のは、縱に通つて喨々として瀧を調ぶる。
— 泉鏡太郎 『飯坂ゆき』 青空文庫
何、正体を見れば、閑古鳥にしろ、直そこいらの樹の枝か葉隠れに、翼を掻込んだのが、けろりとした目で、閑に任かして、退屈まぎれに独言を言っているのであろうけれども、心あって聞く者が、その境に臨むと、山から谷、穴の中の蟻までが耳を澄ます、微妙な天楽であるごとく、喨々として調べ奏でる。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
〈我ニハ堅キ心アリ……〉 にはかに喨々たるラツパの音が響き渡ると、合唱は更に激甚な颶風を呼び起して、此処を先途と湧き立つた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
」 こんなことを云つてゐる間もなく、やがてメイン・スタンドの頂上から喨々たるトラムペットが試合開始の合図を鳴り響かせた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
同じに喨々たる奏楽の音が起って、しいんとなる。
— ――十四の場面―― 『安重根』 青空文庫
平一郎は自分ながら伸びた背丈や、張りきった肉付や、はっと気づくと恐ろしく大きな喨々たる声音で話している自分の声や、高潮する熱情に驚いた。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫
男だか女だか、それはもとよりわからないが、幽明いずれの人だか分明ではないが、その中から起る短笛――つまり尺八です――の音だけは明々喨々として、お雪ちゃんの耳まで響き来るのであります。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
作例 · 標準
静寂な朝の森に、鳥の喨々たる鳴き声が響き渡った。
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祭りの始まりを告げる笛の音が、喨々と空にこだました。
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ホールの隅々まで届く、彼女の喨々とした歌声に聴衆は魅了された。
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