煮出し
にだし
名詞
標準
文例 · 用例
大根の茹った匂いが、汁の煮出しの匂いと共に湯気を上げた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
鍋の煮出し汁は、兼て貯えの彼特製の野菜のエキスで調味されてあった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
これは、紫紺という桔梗によく似た草の根を、灰で煮出して染めるのです。
— 宮沢賢治 『紫紺染について』 青空文庫
……女難にだけは安心な男にも、不思議に女房は実意があるから、これはそこらの、あやしげな煮豆屋が、あんぺらの煮出しを使った悪甘いのではない。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
ほとんど生のままの味で煮出している。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
精分の多い煮汁はみな捨てゝしまひ、肉の煮出し殻を皿に盛つたものだ、かうした些細な食膳の変化にも感激するほどに、妻の献立表は、毎日のやうに単調を極めてゐたのであつた。
— 小説 『小熊秀雄全集−15−』 青空文庫
そうして御米が湯を沸かしているうちに、煮出しを拵えるとか云って、しきりに鰹節を掻いた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
そこで爺さん囲炉裏の上へ鍋をかけて、その中へ米を入れてぐずぐず煮出したものだね。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫