間延びした
まのびした
表現形容詞-語幹
標準
slow
文例 · 用例
それとも、世人の気合がずっと間延びしたものとなれば、話は別になるのでしょう。
— ――近代説話―― 『土地に還る』 青空文庫
「よすぎる中身の一座をひきいてお前さんにはあの時以来――京でお逢いしたあの時以来、東海道を順々に打って、鮫洲まで来たのでござんすかね」「へーい、さようでございますよ」鴫丸はまたも得意そうなようすを、間延びした声に籠らせたが、「あの時は大津で打っていました。
— 国枝史郎 『娘煙術師』 青空文庫
客に接している番頭が、長い節をつけて品物の名を呼ぶと、小僧が、間延びした声でそれに答えながら、蔵から反物をかつぎ出すのである。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
私の恐れ続けた呪いの正体に相違ないであろう男の発する妙に間延びした非人間的な絶叫は既に限界を迎えた神経に余りの負荷を与え、私は湿ってぬめりを帯びた床に倒れ伏しました。
— THE ALCHEMIST 『錬金術師』 青空文庫
女中が出てゆくと、階段に重く間延びした足音が聞え、「何じゃ、――寝とったのか?
— 尾崎士郎 『風蕭々』 青空文庫
「お客さま、ちょっとうかがわせておもらい申してえだが――」 ホールがまのびした声をかけた、とたん、「うるさい、でてゆけ!
— ハーバート・ジョージ・ウエルズ 『透明人間』 青空文庫
「あねさん」と彼はまのびした調子で云った、「済まねえが、茶をくんねえかな」 藤吉はまだ仕事から帰らず、おちよという女房が一人で応対していたのであるが、猪之にそう云われると、おちよはあいそよく立って、手ばしこく三人のために茶を淹れ替えた。
— 三度目の正直 『赤ひげ診療譚』 青空文庫