先夫
せんぷ
名詞
標準
文例 · 用例
ラジオ、辻占、先夫人、犬、ハンケチ、いろいろのことがございました。
— 太宰治 『愛と美について』 青空文庫
六条の御息所と先夫人の葛藤が源氏を懲りさせたともいえることであった。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
兵部卿の宮はお亡くしになった先夫人をばかり恋しがっておいでになって、その人に似た新婦を得たいと願っておいでになったために、この姫君を、悪くはないが似た所がないと御覧になったせいか、通っておいでになるのにおっくうなふうをお見せになった。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
庸三はかつて葉子の故郷で、昔、先夫の松川と結婚の夜に着飾ったという、小豆色した地のごりごりした小浜の振袖に、金糸銀糸で千羽|鶴を刺繍してある帯をしめた彼女と、兄夫婦に妹も加わって、写真を取ったことがあった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
靜子姉妹は新派に屬する日本畫家で、女二人の腕でその母と靜子の先夫の子とを養つてゐた。
— 毒藥を飮む女 『泡鳴五部作』 青空文庫
それであとに取り残された細君が、喜いちゃんを先夫の家へ置いたなり、松さんの所へ再縁したのだから、喜いちゃんが時々|生の母に会いに来るのは当り前の話であった。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
柳江は過去に名声を持つ女流歌人で、先夫の梵語学者鍬辺来吉氏の歿後に、胎龍と再婚したのだった。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
稚市のこれが、先夫遺伝でさえなければ……。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫