瑞枝
みずえ
名詞
標準
文例 · 用例
さらずば千種の花をともに、さしそふ瑞枝にそよぎわたる涼しき夕風髮にうけて、霞に眠れる野邊の如く、優なる姿に倒れ伏して、ねざめぬ夢こそ切に願へ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
葉分の光はだらに、白き菱の花さして、樹暗もあからむ眞夏日なか、水馬うかべる水隱れ、藻伏小鮒とらへ來て、朱脛やすらふ柳瑞枝、したり顏の若音には、葉守の神さへ醉に入らむ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
花は何ぐさ、山の百合、瑞枝しだれた秦木皮の蔭にひともと手折りては、知らぬ『往時』にたてまつり。
— 薄田淳介 『白羊宮』 青空文庫
ついと強往く手さきに、蛇はぬる火のかつ消えて、闇のあなたに、ほのぼのの花や、――と見れば夢わいな、山毛欅の瑞枝の下蔭で、樣にもたれて眞白百合、一はかざしに、二は胸に、三は御手の手のひらに。
— 薄田淳介 『白羊宮』 青空文庫
ゆさ/\と嫩らかな食えそうな若葉をかぶった白樫の瑞枝、杉は灰緑の海藻めいた新芽を簇立て、赤松は赭く黒松は白っぽい小蝋燭の様な心芽をつい/\と枝の梢毎に立て、竹はまた「暮春には春服已に成る」と云った様に譬え様もない鮮やかな明るい緑の簑をふっさりとかぶって、何れを見ても眼の喜である。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
見よ、瑞枝、若葉のゆらぎ、ゆらめける梢のひまを青空や孔雀の尾羽、――數の珠、瑠璃のつらなみ。
— 蒲原有明 『有明集』 青空文庫