切端し
きりはし
名詞
標準
remains after cutting something
文例 · 用例
ポケットに築地の切符の切端しが残っていたので、豚箱に入れられ、ワセダの下宿先を捜査されると、始末してなかったアカハタが一部出てきた。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
溝の傍に雪駄の切端しを見つけた時のように、手にした竹箸で女の身体を突ついてみた後、彼は籠を下ろして犬のようにしばらくそこら中を嗅ぎ廻った。
— 梅雨に咲く花 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
けれども壺穴の標本を見せるつもりだったが思ったくらいはっきりはしていないな。
— 宮沢賢治 『台川』 青空文庫
その水平経路の視角はせいぜい二三十度でその角速度は、どうもはっきりはしないが、約半秒程度の時間に上記の二三十度を通過したものらしい。
— 寺田寅彦 『人魂の一つの場合』 青空文庫
けれども壷穴の標本を見せるつもりだったが思ったくらゐはっきりはしてゐないな。
— 宮沢賢治 『台川』 青空文庫
あの二人もこの地上から追詰められて、今、六枚の畳の上で佗しく寄り添つてゐるのだが、ほんとに寄り添つてゐるのだらうか、そのことさへ、もう気づかないし、はつきりはしてゐないに違ひない。
— 原民喜 『災厄の日』 青空文庫
だが私はどういう意味でそう云ったのか、はっきりはしなかった。
— 金史良 『光の中に』 青空文庫
この時ほんとに、何かはつきりはしないが、とても豚の啼き声に似た音が聞えた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫