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蔦葛

つたかずら
名詞
1
標準
文例 · 用例
人跡絶えた山道には、人力車の通う術もなかったので、二人の若い男女は、互に助け合いながら、蔦葛の這う細道を、幾時間となくさまよい歩いた。
室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 小泉八雲の家庭生活 青空文庫
前後に次第に高くなって、白い梟、化梟、蔦葛が鳥の毛に見えます、その石段を攀じるのは、まるで幻影の女体が捧げて、頂の松、電信柱へ、竜燈が上るんでございました。
泉鏡花 唄立山心中一曲 青空文庫
高い石垣に蔦葛がからみついて、それが真紅に染まっているあんばいなど得も言われぬ趣でした。
国木田独歩 春の鳥 青空文庫
水車は川向にあつて其古めかしい處、木立の繁みに半ば被はれて居る案排、蔦葛が這ひ纏ふて居る具合、少年心にも面白い畫題と心得て居たのである。
国木田独歩 畫の悲み 青空文庫
水車は川向にあってその古めかしい処、木立の繁みに半ば被われている案排、蔦葛が這い纏うている具合、少年心にも面白い画題と心得ていたのである。
国木田独歩 画の悲み 青空文庫
抑も此男は父の死だ後、市街外れに在る小さな莊園を承嗣だので、此莊園こそ怠惰屋の店とも謂つべく、其白い壁は年古て崩れ落ち、蔦葛思ふがまゝに這纏ふた門は年中開つ放しで閉たことなく、無花果や芭蕉が苔むす泉のほとりに生茂つて居るのである。
国木田独歩 怠惰屋の弟子入り 青空文庫
攀上り、垂下り、絡みつき、輪索を作る蔦葛類の氾濫。
中島敦 光と風と夢 青空文庫
巨大な榕樹が二本、頭上を蔽ひ、その枝といはず幹といはず、蔦葛の類が一面にぶらさがつてゐる。
――ミクロネシヤ巡島記抄―― 環礁 青空文庫