行疫神
ぎょうやくじん異読 ぎょうえきじん
名詞
標準
god of pestilence
文例 · 用例
行疫神自身であつた天王が、夏の季に、新来の邪悪の霊を圧服して、海の彼方へ還つて行かれるものと考へ出したのは、平安の都がやつと落ちついた頃からの事である。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
鎮花祭は、季節の替り目に行疫神を逐ふものと謂はれてゐるが、其は平安中期からの合理説で、稲の花の為の予祝であつた。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
それが、行疫神の来るのをはぐらかす、神送りの踊りの様に考へられて、御霊の社や祇園社の信仰と混淆して、田楽の一派として、怨霊退散を第一義とした念仏踊りを形づくつて行つた。
— 折口信夫 『村々の祭り』 青空文庫
春の祭りに花を祝福した行事が、春夏の交叉する頃にも、一層激しく行はれ、鎮花祭――行疫神や、害虫や、悪風を誘導して祓ひ出す――が、人間の精霊を退散させる事によつて、凶事は除かれるものとする念仏踊りを生み、其が教義づけられて、念仏宗になつたものゝ様です。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫
行疫神をも、此神の中にこめて見る觀察も行はれて來た。
— まれびとの意義 『國文學の發生(第三稿)』 青空文庫
陰惨な行疫神八将の不吉な叫び声の渦巻きを…………偉大なる殿堂は傾いてゆく。
— 上里春生 『傾ける殿堂』 青空文庫