顔佳
かおよ
名詞
標準
文例 · 用例
おとっさん早くしないかア、早く着物おきかえよ、お妙ちゃんもめいちゃんも髪ゆうてよ、早くゆこうよう、新聞なんかおよしよ。
— 伊藤左千夫 『浅草詣』 青空文庫
「図書室へ行くのなんかおよしなさいね。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
家人にとっても米一つ買えない主人というものは、どういうものかおよそ私には想像がついている。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
この解毒剤のせいで、私は大変すーっとして本当の落付いた勇気に満ちて居るから、どうかおよろこび下さい。
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
ツワイクの『マリ・アントワネット』二巻、もしかおよみにならないでしょうか、彼女の一人のみならず周囲も分って面白うございますが。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫
「当世作者忠臣蔵見立」というのでは、由良之助が春のや(逍遥)で、若狭之助が鴎外で、かおよ御前が柳浪、勘平が紅葉で、美妙はおかるよ。
— 長谷川時雨 『田沢稲船』 青空文庫
私は番頭の手前つくづく穴にもはいりたくなって、「じゃ、そっちのにするさ」「…………」「これも、なかなかおよろしい柄でございます」 番頭がそういって、お宮が手放した方を取り上げて斜めに眺めていると、「じゃあ、あっちにしようか?
— 近松秋江 『うつり香』 青空文庫
が、おとなしそうなそのお方は、なぜか知ら(或は私だけが別して人の苦しみというものを過当に見るようなところがあるのだろうかしら)、いつも私の相手になるのをお避けになるような素気ない御返事しかおよこしにならなかった。
— 堀辰雄 『かげろうの日記』 青空文庫