華やぎ
はなやぎ
名詞
標準
文例 · 用例
白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃く樹皮は螺線状の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺を銜えて樹液を落している。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
強いてそれらしいものを娘の言葉の中から捕捉するなら娘がいったいくたたびか迎える辛くも新鮮な青春、かくて遂に老ゆることを知らずして苦しくも無限に華やぎ光るいのち。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
市内を縦に貫く元安川沿いの桜並木は、平和公園に春めいた華やぎを与え、小高い丘といった印象の比治山に人々は酒肴をたずさえて桜を求める。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
生命の横溢を謳う春の華やぎが、タケシには残酷だった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
その混乱と華やぎの中で、この世を去ろうとする16ビット・マシンの夢の冥福をオレは一人祈った。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
春なれば街の少女が華やぎに、君も交りて美しう、恋の祈誓の初旅や笈摺すがた鈴ふりて、大野のみなみ、菜の花の黄金海透く筑紫みち列もあえかのいろどりに御詠歌流し麗うらと練りも続く日、軟かぜに絵日傘あぐる若菜摘、法師、馬上の騎士たちも照りつ乱れつ菅笠に蝶も縺るる暖かさ。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
四時半にはモウ共立病院の室々に洋燈の光が華やぎ出して、上履の辷る程拭込んだ廊下には食事の報知の拍子木が輕い反響を起して響き渡つた。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
四時半にはモウ共立病院の室々に洋燈の光が華やぎ出して、上屐の辷る程拭込んだ廊下には食事の報知の拍子木が軽い反響を起して響き渡つた。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫