鎮西
ちんぜい
名詞
標準
文例 · 用例
彼らは、また、皆、鎮西八郎為朝が、はめていただろうと思われるような、弓の手袋に似た革手袋の中で、その手を泳がせている。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
頼光をはじめ、鎮西八郎、悪源太義平などの武勇に就いては知らぬ人も無いだろうが、あの、八幡太郎義家でも、その風流、人徳、兵法に於いて優れていたばかりでなく、やはり男一匹として腕に覚えがあったから、弓馬の神としてあがめられているのである。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
(明治四十一年五月六日『東京朝日新聞』) 七十七 人を載せる紙鳶 昔鎮西八郎が大紙鳶にその子を縛して伊豆の島から空に放ったというのは馬琴の才筆によって面白く描かれているが、ここに述べるのは昨年の暮北米での話である。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
芝居ですると、鎮西八郎|為朝が凧を上げて、身代りの鬼夜叉が館へ火をかけて、炎の中で立腹を切った処でさ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
民間に下って剃刀の名人、鎮西八郎の末孫で、勢い和朝に名も高き、曾我五郎|時致だッて名告ったでさ。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
目ばかり光らす愛吉を、花やかに顧みて、「鎮西八郎、為ちゃん。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
この意気なればこそ、三日握り詰めたお夏の襟をそった剃刀に、鎮西五郎|時致が大島伝来の寐刃を合わせたとはいえ、我が咽喉ならばしらず、いかで誤ってお夏の胸を傷つけんや。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
興世王や玄明を相手に大酒を飲んで、酔払つて管さへ巻かなかつたらば、氏は異ふが鎮西八郎|為朝のやうな人と後の者から愛慕されただらうと思はれる。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫