興醒め
きょうざめ
名詞
標準
文例 · 用例
すると叔父さんは、それを半分も読まずに手帖を投げ出し、和子、もういい加減に、女流作家はあきらめるのだね、と興醒めた、まじめな顔をして言いました。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
」私は努めて興醒めの言葉を選んで言った。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
その人を、気の毒と思っても、自分には何も出来ぬという興醒めな現実が、はっきりわかっているので、なおさら、いやになるのだ。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
」と佐伯は、ほんものの悪党みたいな、下品な口をきいたので、私は興醒めして、しきりに悲しかった。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
妙なもので、あのように鈍重に見えていても、ものを食う時には実に素早いそうで、静かに瞑想にふけっている時でも自分の頭の側に他の動物が来ると、パッと頭を曲げて食いつく、是がどうも実に素早いものだそうで、話に聞いてさえ興醒めがするくらいで、突如として頭を曲げて、ぱくりとやって、また静かに瞑想にふける。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
「なるほど、ひとり息子さんだからな、それも無理はない」 かの女は他人のことばかりに思いやりが良くて、自分の息子には一向無関心らしい老紳士が、粗っぽく思えて興醒めた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
「そんなことはない」とアルトゥールは写真師を噛むように云ったが、すぐ興醒め声になっていった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
窓の外の木々の葉の囁きを聴き乍ら、かの女は暫く興醒めた悲しい気持でいた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫