火雲
かうん
名詞
標準
文例 · 用例
老農火雲むらがり翔べば、 そのまなこはばみてうつろ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
火雲あつまり去れば、 麦の束遠く散り映う。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
限りなき星霜を経て固まりかかった地球の皮が熱を得て溶解し、なお膨脹して瓦斯に変形すると同時に、他の天体もまたこれに等しき革命を受けて、今日まで分離して運行した軌道と軌道の間が隙間なく充たされた時、今の秩序ある太陽系は日月星辰の区別を失って、爛たる一大火雲のごとくに盤旋するだろう。
— 夏目漱石 『思い出す事など』 青空文庫
はるかに小手をかざせば助川の空はいちめんの火雲、近くの邑々で打ち鳴らす半鐘の音が風に乗って聞こえていた――。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫