鬼没
きぼつ
名詞
標準
文例 · 用例
とっこべとらこだらおれの方で取って食ってやるべ」 その語がまだ終らないうちに、神出鬼没のとっこべとらこが、門の向うの道のまん中にまっ白な毛をさか立てて、こっちをにらんで立ちました。
— 宮沢賢治 『とっこべとら子』 青空文庫
神出鬼没、変幻自在の怪犯人、残忍非道のイタズラ者のトリックの真相をドン底まで突き止めて来たのだ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
そうしてこの程度まで鼻の表現を研究し得れば、最早所謂、機略縦横、神出鬼没の行き止まりとして世間から一種の敬意を払われるので、しかもこれを世渡りの秘訣、処生法の免許皆伝と心得ている人が又|頗る多いように見受けられるのであります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
令嬢を狙う団体の攻撃準備いろいろ 不良少年団体は、皆結束を作って神出鬼没する。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
益満休之助、神出鬼没、江戸中を――江戸中の女を、引っ掻き廻す――これが、隠れ蓑」「腰が、淋しゅうござんせんか」「野暮な邸の、大小棄てて、と、唄にあろう――富士春、もう一度、わしと、昔のようになってもよいぞ。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
「神出鬼没というやつだ。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
これでみても、いかに全事件が怪奇をきわめ、犯人「斬裂人のジャック」の行動がまったく探偵小説的に神出鬼没そのものであったかが推測されよう。
— 牧逸馬 『女肉を料理する男』 青空文庫
相手は何しろ、当時聞えた神出鬼没の怪賊。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫