春愁
しゅんしゅう
名詞
標準
spring depression
文例 · 用例
「春愁」は傑作でさへあります。
— 中原中也 『書信』 青空文庫
僕は土蔵の石段に腰かけて例の如く茫然と庭の面を眺めて居ますと、夕日が斜に庭の木の間に射し込で、さなきだに静かな庭が、一増粛然して、凝然として、眺めて居ると少年心にも哀いような楽いような、所謂る春愁でしょう、そんな心持になりました。
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
諸君、可愛くなりませんか※△本集は『春愁』『若き悲しみ』またはハイカって(少々嫌味はあるが)『二十歳の峠へ、三十歳の峠から』とでも名付くべきでしたろう。
— ――三月十九日夜―― 山頭火 『鎖ペンを握って』 青空文庫
されば日本の笛を取る心もちにもなほ鮮かな Stranger の驚異と感触を貴み、目白僧園の鐘の音にアベマリヤの晩鐘を忍ぶ以太利亜旅人の春愁を悟り、異国の菊の香に新らしい流離の涙をそそぐピエルロチが秋の心をまたとなく懐かしむ。
— 北原白秋 『桐の花』 青空文庫
心|長閑にこの春光に向かわば、詩人ならざるもしばらく世俗の紛紜を忘れうべきを、春愁堪え難き身のおとよは、とても春光を楽しむの人ではない。
— 伊藤左千夫 『春の潮』 青空文庫
太平の世の春愁は、肩で風切る武士の腰の物に、態と觸つて見る市井の無頼兒である。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
太平の世の春愁は、肩で風切る武士の腰の物に、態と触つて見る市井の無頼児である。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
尤も、この室は私自身が、プライベェトに借り、私が勝手に展望室と名づけてゐるのであつたから、漁場の休みにも営業にも関はりのあるわけではなかつたが、私の春愁の夢が恰も四囲に暗緑の深い帷を降して、幻想の昼寝に閉ぢ込るにふさはしい日々なのであつた。
— 牧野信一 『R漁場と都の酒場で』 青空文庫
作例 · 標準
春愁に沈み、彼女は窓の外をぼんやりと眺めていた。
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暖かくなってきたのに、なぜか心が晴れない。これが春愁というものか。
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「春愁の季節だね。たまには気分転換にどこか出かけようか」と友人が提案した。
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