紙子
かみこ異読 かみぎぬ
名詞多音語
標準
paper garment
文例 · 用例
二番目は我当が出し物の「紙子仕立両面鑑」で、十月中旬から開場した。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
殊にその出し物とする「紙子」の助六は、義太夫の語りものとしてこそ知られているが、舞台の上で見せられるのは初めてであるので、東京の観客には喜ばれなかった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
只、身すがらにと出立ち侍るを、紙子一衣は夜の防ぎ、浴かた、雨具、墨、筆のたぐひ、あるはさりがたきはなむけなどしたるは、さすがに打捨てがたく、路次の煩ひとなるこそわりなけれ」「奥の細道」 牛込の下宿で捨吉はこの芭蕉の文章を開けた。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
(五月一日)『宝船』第一巻第二号の召波句集|小解を読みて心づきし事一つ二つ紙子きて嫁が手利をほゝゑみぬ「老情がよく現はれてゐる」との評なれど余はこの句は月並調に近き者と思ふ。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫
宝暦十二年の春、ふとした事から豊後訛のある浪人が仙台で紙子揉みをしていたが、女房と何か争った末、女房を足蹴にしたのが基で死なしてしまった――今どうしているか、多分そのまま居やしないか、と云う話を聞いた。
— 直木三十五 『相馬の仇討』 青空文庫
――さうして見ると、「桜鍔恨鮫鞘」の鰻谷も、「紙子仕立両面鑑」の大文字屋も、語り物としては名高いものだつたが、舞台には、彼の発意で移されたものだつた。
— 折口信夫 『戞々たり 車上の優人』 青空文庫
いかな大風だとて、吹き飛ばされもせず、紙子細工ではござらぬから、濡れたところで大事ない。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
へん、紙子細工や張子の虎じゃあるめえし、べら棒め、濡れて落ちるよな箔じゃあねえや。
— 無明の夜 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
作例 · 標準
昔、特別な儀式のために、紙子で作られた衣装が用いられたという。
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美術館で、薄い紙子で作られた繊細な人形を見た。
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「こんな紙子で服が作れるなんて、面白いね!」と、子供が感心していた。
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