座方
ざかた
名詞
標準
文例 · 用例
一枚の小切手が一かたまりの紙幣となって出納口からでてくると、銀行を背負ったような女は、ふたたび銀座方面へガソリンの尾を曳いた。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
すがすがしい好晴の日で食卓から見下ろす銀座方面のながめははればれと明るくいきいきと美しいものであった。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
座方の皆さまがたもさように申しましたが、ご本人もそのときおっしゃったげにござります。
— 曲芸三人娘 『右門捕物帖』 青空文庫
なにしろ、こわい一方で、みんなここのところから、震えふるえのぞいたばかりでござります」「その後もずっと、このへやへ座方の者ではいった者はなかったか」「へえい。
— 曲芸三人娘 『右門捕物帖』 青空文庫
何をわめきたてているのじゃ」「だって、あんまり座方の者がかってをしやがるから、だれだっても見物が鳴りだすなあたりまえじゃござんせんか。
— 七化け役者 『右門捕物帖』 青空文庫
じつは――」「一座の者か」「いいえ、わっちゃ座方の者でも親類でもねえんですが、妹めが、その、なんでござんす、ずっとまえから江戸五郎親方に、その――」「かわいがられているとでもいうのかい」「へえい。
— 幽霊水 『右門捕物帖』 青空文庫
座方も俳優もそれに味を占めて、翌二十六年一月の歌舞伎座では「安政三組盃」を上演した。
— 岡本綺堂 『寄席と芝居と』 青空文庫
菊五郎が奴凧を勤めるに就いて、座方では去年の「牡丹燈籠」以上の宣伝法を案出し、一月六、七日の両日、浅草の凌雲閣、新橋の江木の塔、芝愛宕山の愛宕館の三カ所から歌舞伎座の印を捺した奴凧数百枚を放ち、それを拾って来たものには無料で見物をさせることにした。
— 岡本綺堂 『寄席と芝居と』 青空文庫