遠さ
とおさ
名詞
標準
distance
文例 · 用例
どうして、かう「科學」といふものが我が文化國日本で嫌はれ敬遠されるかゞ不思議である。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
「お待ち遠さま」 七五郎、 「石松、さッ一杯どうだ」 石松、入って来る。
— 山中貞雄 『森の石松』 青空文庫
聲は高くすれば聞えるくらゐの遠さだつたが、向うの看護婦とこつちの武井さんが時にはわざとらしく半布を振つて、相圖をし合つて、無聊を慰めるやうな笑ひを洩らし合つたりするのであつた。
— 南部修太郎 『病院の窓』 青空文庫
日本人がロシア文学を読んで感じる遠さも、そこにある。
— 黒島傳治 『農民文学の問題』 青空文庫
それではほんとうに取りに行ったのかとは云ったが、よもやと思って笑っていると、やがてお糸がお待ち遠さまでございましたと持ち出して来た皿の上には、眼の下一尺あまりもあろうという大きな鯉が生きていて、しかもその鱗が燭台の灯にも紫に映ったので、みんなもあっと驚く。
— むらさき鯉 『半七捕物帳』 青空文庫
わずか数|浬の遠さに過ぎない水平線を見て、『空と海とのたゆたいに』などと言って縹渺とした無限感を起こしてしまうなんぞはコロンブス以前だ。
— 梶井基次郎 『海 断片』 青空文庫
「そうね」「僕はいつでもあれくらいの遠さにあるやつを花だと思って見るのです。
— 梶井基次郎 『闇の書』 青空文庫
今までに顧みられなかったわけは、単に、今までの古典的精密科学の方法を適用するのに都合がよくないため、平たく言えばちょっと歯が立たないために、やっかいなものとして敬遠され片すみに捨てられてあったもののように見受けられる。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
作例 · 標準
目標までの遠さを感じながらも、彼は歩みを止めなかった。
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故郷との物理的な遠さが、時に寂しさを募らせる。
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彼の言葉には、人との心の遠さを感じさせた。
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