托
たく
名詞
標準
文例 · 用例
彼等は母と結托して、父に反抗の牙をむける。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
この句もやはり前のと同じく、実景の写生でなくして、心象のイメージに托した咏嘆詩であり、遅き日の積りて遠き昔を思う、蕪村郷愁曲の一つである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
例えば藪入やよそ目ながらの愛宕山藪入のまたいで過ぬ凧の糸 など、すべて同じ情趣を歌った佳句であるが、特にその新体風の長詩「春風馬堤曲」の如きは、藪入の季題に托して彼の侘しい子守唄であるところの、遠い時間への懐古的郷愁を咏嘆している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
我れ非情の妻と別れてより、二兒を家郷の母に托し、暫くこのアパートメントに寓す。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
私は今、此の詩集の原稿を纏め、友人小林秀雄に托し、東京十三年間の生活に別れて、郷里に引籠るのである。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
この辺で高頭君は、歩度測量計を失くしてしまい、私たち一同人夫と共に、附近の偃松を捜索したが、見当らずにしまった(後にこの歩度メートルは、登山家某君に発見せられて、上高地温泉宿に委托せられ、無事に持主の手に戻った)。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
石の上に、根を托さぬ樹は少い。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
」と言い、「碧眼托鉢。
— ――馬をさへ眺むる雪の朝かな―― 『碧眼托鉢』 青空文庫