逃げ口
にげぐち
名詞
標準
way of escape
文例 · 用例
逃げ口を一つ、作つてやるやうにしなければ、――」れいの、眼をパチパチさせながら、おつしやつた事がある。
— 太宰治 『小照』 青空文庫
それに、月末だつてもう近いんだし、何もそんなあつてもなくつてもいい壁掛なんかを今お買ひになることないぢやありませんか」「分らないなア、仕事に使ふんだつて‥‥」「よして頂戴、そんな逃げ口上は‥‥」 と、妻は強く夫の詞を遮りながら、眼の前の更紗模樣に侮蔑的な視線を投げた。
— 南部修太郎 『畫家とセリセリス』 青空文庫
百姓は、逃げ口が見つかったのを喜んで麓の方へ押しよせてきた。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
」 案の定、秘密の壁を右門に発見されたことによって、もう仙次はやぶれかぶれか、庭の土間先に逃げ口をふさぎながらがんばっていた伝六にまでもいどんできたので、伝六の目をむいたこと――。
— 達磨を好く遊女 『右門捕物帖』 青空文庫
それを火勢に追われて逃げて来る人々は、ただ、一方の逃げ口の吾妻橋方面へと逃げ出そうと急っている。
— 浅草の大火のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
」 意外なときに意外なところで逃げ口を見つけ出した銭石山の巧妙さには、このとき甲谷もぼんやりせずにはおれぬのであった。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
」「いゝえ‥‥」「直子さん、なかなか逃げ口上がうまくなつた」「あらア、あんな厭味なこと‥‥」「まア、何でもいゝさ、この儘どつかへ行つてしまひたいナ」「えゝ‥‥」「行つてもいゝ?
— 林芙美子 『「リラ」の女達』 青空文庫
況んやステーション・ホテルでボーイに金を呉れて十四号室へ案内をさせてから後の奇々怪々な行動を見たら、誰でもてっきり犯人と認めるのが当り前で、決して私の逃げ口上でもなければ、負け惜しみでも何でもないという自信を今でも持っているのである。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
作例 · 標準
非常時にはパニックを避けるため、あらかじめ複数の逃げ口を確認しておく。
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追い詰められたネズミが、壁のわずかな隙間を逃げ口にして消えていった。
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彼は議論で論破されそうになると、いつも卑怯な逃げ口を探し始める。
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