獣身
じゅうしん
名詞
標準
文例 · 用例
そしてかの女自身は獣身を持ちながら聖なるものをも掴んでいた。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
侏儒や獣身のものを交ゆ。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
その「謎語」の「謎語」たる所以は、その姿が人面獣身であるところにあるという事も亦あまりに有名な事実であります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
一つは人面獣身であり他の一つは女人であるとしても、何事かここには物というものの本態をなす無意識な豊かさが、実物の体積となって示されている。
— 横光利一 『スフィンクス(覚書)』 青空文庫
それというのはエジプトの内部の知識階級が、スフィンクスそのままのニヒリズムになっていたからであったが、勝つものをして勝たしめよと言っている一つの大きな人面獣身の微笑が、当時の人心に乗り移ったのは、形の心に及ぼす不思議さである。
— 横光利一 『スフィンクス(覚書)』 青空文庫
先ず獣身を成して後に人心を養うと云うのが私の主義であるから、生れて三歳五歳まではいろはの字も見せず、七、八歳にもなれば手習をさせたりさせなかったり、マダ読書はさせない。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
即ち是れが先ず獣身を成すの法にして、幸に犬猫のように長成して無事無病、八、九歳か十歳にもなればソコで始めて教育の門に入れて、本当に毎日時を定めて修業をさせる。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
到る処にある蛇の子孫・狐の子孫などの豪家で、からだの上の特徴を言ふ伝説を伝へながら、獣身解脱を説くことの少いのは、故意に伝承を捨てたとばかりは言へない。
— 魂と姿との関係 『小栗外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二)』 青空文庫