足手
あしで
名詞
標準
文例 · 用例
だがやつらはかえっていない方が足手まといがなくっていいよ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
慌ただしい復旧工事の際|足手纏いで邪魔になるお婆さん達が時を殺すためにここに寄っているのかという想像をしてみたが事実は分らない。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫
其の下襲ねの緋鹿子に、足手の雪が照映えて、女の膚は朝桜、白雲の裏越す日の影、血も通ふ、と見る内に、男の顔は蒼く成つた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
一所に捜しに出かけやうと言ふと、いや/\山坂不案内な客人が、暗の夜路ぢや、崖だ、谷だで、却つて足手絡ひに成る。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
伯父御の方はどのみち足手まといさえなくなれば可いのでございますよ、売れば五両にもなる箪笥だってお米につけないですむことですから、二ツ返事で呑込みました。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
松明の光に映えて秋の流れは夜の錦と見え、人の足手は、しがらみとなって瀬々を立ち切るという壮観であった。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
しぶしぶ丹三郎を連れて国元を出発したが、京を過ぎて東路をくだり、草津の宿に着いた頃には、そろそろ丹三郎、皆の足手まといになっていた。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
今すぐ会場へ引返してみたところで、(充分の考慮もせず、ただ、足手まといになるつもりか、)と叱られるくらいがおちであろうと、永いことさまよいました。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫