触接
しょくせつ
名詞
標準
文例 · 用例
狭く南画などとは云わず、一般に芸術というものが科学などの圧迫に無関係に永存し得べき肝心の要素に触接しているように思われるのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
麻川氏は自分の屹々した神経の尖端を傷めないK氏の外廓形態の感触に安心してK氏のなか味のデリカな神経に触接し得る適宜さでK氏をますます愛好して居るのではあるまいか。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
要するにこれらのモンタージュの要訣は、二つの心像の識閾の下に隠れた潜在意識的な領域の触接作用によってそこに二つのものの「化合物」にも比較さるべき新しいものを生ずるということである。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
さて段々観察していると、触接点がある。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
水野は先生が一切の西洋機巧に触接しないのを熟知してゐて此命を下した。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
自然主義ということを、こっちでも言っていたが、あれはただつとめて自然に触接するように書くというだけの意義と見て好い。
— 森鴎外 『文芸の主義』 青空文庫
この文壇の人々と予とは、あるいは全く接触点を闕いでいる、あるいは些の触接点があるとしても、ただ行路の人が彼往き我来る間に、忽ち相顧みてまた忽ち相忘るるが如きに過ぎない。
— 森鴎外 『鴎外漁史とは誰ぞ』 青空文庫
弟月が地球に触接したよ。
— 海野十三 『洪水大陸を呑む』 青空文庫