一面識
いちめんしき
名詞
標準
(a) passing acquaintance
文例 · 用例
そしてその客である奥さんは、彼をよく知つてゐながら彼の父とも母とも一面識さへなかつたのだ。
— 中原中也 『分らないもの』 青空文庫
そしてわずか一と月ほどの間に、あの療養地のN海岸で偶然にも、K君と相識ったというような、一面識もない私にお手紙をくださるようになったのだと思います。
— ――或はKの溺死 『Kの昇天』 青空文庫
見廻すとその中の五人は兼て一面識位はある人であるが、一人、色の白い中肉の品の可い紳士は未だ見識らぬ人である。
— 国木田独歩 『牛肉と馬鈴薯』 青空文庫
それは金主と事業者との間に一面識もないからであるのと、も一つ複雑したいきさつが纏はつてゐるからである。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
」 と、一面識も無き者の我名を呼ぶに綾子は呆れ、婦人の顔を瞻るのみ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
便りに思う爺さんだって、旅他国で畔道の一面識。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
」「だってただ一面識だものね、三四|度交際って見たまえ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
そこで、止むことを得ず、むずむずする口を堪える下から、直ぐに、スッとまたぞうろ風を入れて、でごわりまするに就いて、かような事は、余り正面から申入れまするよりと、考えることでごわりまする……と掻つまんで謂えば、自分はいまだ一面識も無いから、門生の主税から紹介をして貰いたいと言うのである。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4