峙立
峙立
名詞
標準
文例 · 用例
……見る見るうちに水は減り周囲の岸が高く峙立ち、湖底が徐々に露出れて来た。
— 国枝史郎 『沙漠の古都』 青空文庫
蔽いかぶさった灰色の低い空、深々と湛えたミルク色の海、際知れぬ遠くからくる冷い気流、そのなかに峙立った巖の上で、錆びくちた鉄柵にかこまれて、彼等は十分間の自由に嬉々として、彼等の肺活量一杯に、妖精の叫びを挙げるのです……。
— 豊島与志雄 『エスキス』 青空文庫
ひとりサンタルシア山の、鬱然として市街の間に峙立するは一大奇観たり。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
眼を閉ぢ耳を覆つたまゝ漂つてゆけば、潮流の底に、ほど近く峙立つ巖も見えず、また、その底に沸き返へる波濤も聞えない。
— ブロンテイ 『ジエィン・エア』 青空文庫
ここからあらゆる思索を出発させなければならないおれの前に確乎として峙立つコンクリートの壁!
— 陀田勘助 『全体の一人』 青空文庫
大烏帽子岳 高廿八町、村ノ西北ニ峙立ス。
— 木暮理太郎 『利根川水源地の山々』 青空文庫
仰げば峭壁峙立、絶えず崩石あり、到底近づく可らず。
— 木暮理太郎 『黒部川奥の山旅』 青空文庫
或云、大月ノ分界ニ山上ニ登ルコト六町許ニシテ、危岩峨々トシテ峙立セル所アリ、之ヲ砕ケバ菊紋アリ、此処菊花山ナリトモ云、何レガ正説ナルヤ分明ナラズ、大月、駒橋元一村ナレバ、山モ連峰ニテ分界ナシ、然レバ都テ此南山ヲ菊花山ト云シナルベシ。
— 木暮理太郎 『マル及ムレについて』 青空文庫