焼け爛れる
やけただれる
動詞
標準
文例 · 用例
むしろ凄惨な男性の性慾、暴力、所有慾、茲にしてまた引っ裂かれる女性の犠牲死体が、じりじりと日光と砂熱とに焼け爛れるのだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
荷縄は、肩に焼け爛れるような痛さで喰い込んだ。
— 佐左木俊郎 『駈落』 青空文庫
焼け爛れるような痛みと悩みとをその心臓に感じながら、紀久子はじっと部屋の中を見回して、それから静かに夜具を引き被った。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
しかし正当の理屈は師冬の方にあるので、ややもすれば言い負かされそうになる師直は、骨も魂も焼け爛れるばかりの憤怒に眼が眩んで、しまいには我が子を勘当するとも言った。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
病苦の中にある母に向っても、看病疲れの姉に向っても、あのタンクの中に焼け爛れる死骸に向っても、それは言ってるのであろう。
— 豊島与志雄 『猫捨坂』 青空文庫
それから、河豚の毒なら身体が痺れるはずだが、そんな事がなくて、腹の中が焼け爛れるようで、血を吐いたのは南蛮渡りの毒薬に違いない。
— 鉄砲汁 『銭形平次捕物控』 青空文庫
そこには生きることの不安や、怖れや、貧困、病苦、悲痛や絶望がせめぎあってい、悔恨や憎悪や復讐心などのために、心の灼け爛れるおもいをしている人たちがいる。
— 第四部 『樅ノ木は残った』 青空文庫