幻辞.com

漁夫の利

ぎょふのり異読 ぎょほのり
表現名詞
1
標準
profiting while others fight
文例 · 用例
これらの未完成の四集団は既にいわゆる民主主義陣営と枢軸陣営の二大分野に分れ、ソ連は巧みにその中間を動いて漁夫の利を占めんとしつつあるが、果してしからばその将来は如何に成り行くであろうか。
石原莞爾 戦争史大観 青空文庫
しこうして清国はこの間に立ちて独り漁夫の利を占めつつあるなり。
――十四の場面―― 安重根 青空文庫
人民同士が互に不幸への憤りを見当違いにぶっつけ合って苦んでいる間は、漁夫の利で「御軫念」というような表現の陰にかくれ得る。
宮本百合子 女の手帖 青空文庫
その時に、ドイツのナチスとイタリーのファッシストと日本の侵略的支配者はヨーロッパのその矛盾、ヨーロッパ内部のその苦悩に乗じて、折あらばと漁夫の利を求めて、第一次大戦時代からちっとも本質の進歩していない侵略戦争を計画した。
宮本百合子 私たちの建設 青空文庫
この次の機会にこそ、日本は漁夫の利をしめるか、さもなければ大漁祝いのわけ前にありついて、前回でものにしそこねた北や南での領土的野心をみたすことができるという潜行的な宣伝が行われている。
宮本百合子 便乗の図絵 青空文庫
こういう有様では、心ある者や気の弱い者は寄り附かないのが当然で、寄り附くものは一種の野心家か、漁夫の利を得ようとする一味徒党か、特殊の利害関係を有する者に限られて来るのはまたやむをえないといわねばならない。
嶋中雄作 日本出版協会論 青空文庫
鷸蚌の争いは漁夫の利ということもないではないが、兄弟|牆にせめげども外その侮りを受けずという真理も忘れてはならぬ。
戸坂潤 現代日本の思想対立 青空文庫
――けれど争われないことには、その際にも、呉越の真ン中に挟まって漁夫の利を占めるにいい立場にあった信州は、やはり喧嘩の方が羨ましかったとみえて、国人こぞって両将の幕下に組し、さかんに自分の国の麦を踏んで戦ってしまった。
吉川英治 銀河まつり 青空文庫