五重塔
ごじゅうのとう
名詞
標準
文例 · 用例
」 露伴の文章がどうのこうのと、このごろ、やかましく言われているけれども、それは露伴の五重塔や一口剣などむかしの佳品を読まないひとの言うことではないのか。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
大阪の天王寺の五重塔が倒れたのであるが、あれは文化文政頃の廃頽期に造られたもので正当な建築法に拠らない、肝心な箇所に誤魔化しのあるものであったと云われている。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
弘前城と、最勝院の五重塔とは、国宝に指定せられてゐる。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
鐘が鳴ったが、その浅草寺の五重塔は、今戸側北岸の桜や家並に隠れて彼女の水上の位置からは見えない。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
途中を電車で、私の見物のために、一度いま話すこの大川通で下りて、橋袂に、梢は高く向う峰のむら錦葉の中に、朱の五重塔を分け、枝は長く青い浅瀬の流に靡いた、「雪女郎」と名のある柳の大樹を見て、それから橋を渡越した。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
この祠の附近よりは川を隔てながら、特に近※と浅草なる観音堂ならびに五重塔凌雲閣等を眺め得べし。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
其八 明日辰の刻頃までに自身当寺へ来るべし、予て其方工事仰せつけられたきむね願ひたる五重塔の儀につき、上人|直接に御話示あるべきよしなれば、衣服等失礼なきやう心得て出頭せよと、厳格に口上を演ぶるは弁舌自慢の圓珍とて、唐辛子をむざと嗜み食へる祟り鼻の頭にあらはれたる滑稽納所。
— 幸田露伴 『五重塔』 青空文庫
やあ覚えて居よ此のつそりめ、他の情の分らぬ奴、其様の事云へた義理か、よし/\汝に口は利かぬ、一生|溝でもいぢつて暮せ、五重塔は気の毒ながら汝に指もさゝせまい、源太一人で立派に建てる、成らば手柄に批点でも打て。
— 幸田露伴 『五重塔』 青空文庫
ウィキペディア
五重塔(ごじゅうのとう)は、仏塔の形式の一つ。層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち、五重の屋根を持つものを指す。下から地(基礎)、水(塔身)、火(笠)、風(請花)、空(宝珠)からなるもので、それぞれが5つの世界(五大思想)を示し、仏教的な宇宙観を表している。
出典: 五重塔 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0