幾千代
いくちよ
名詞
標準
many years
文例 · 用例
」 と、黒髪ばかりは幾千代までも、早やその下に消えそうな、薄白んだ耳に口を寄せて、「未来で会え、未来で会え。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
で、一切はおめでたくその通りに進行し、幾千代かけてのどかなる年の初めが、十日の内には来るべきであり、また、めでたくも暦さえ間違いなくば来るのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
幹の廻り一丈にて、十善梅より稍※小なる四恩梅は、今上陛下御即位大典の記念に植ゑたるものなりと記せるに、裸男一首うなり出して曰く、幾千代の雪を凌ぎて梅の花 我大君の御世にあらはる 車を返して久伊豆神社に詣づ。
— 大町桂月 『越ヶ谷の半日』 青空文庫
『然るにても幾千代重ねん殿が御代なるに、など然ることの候はんや』。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
自分を犠牲にしてとか、汝の敵を愛せよとか、身命をなげうつて国家につくすとか云つてもその実、さう云ふ人たちは、矢張り自分の死んだ後で幾千代の後までも、名を残すことの出来ると云ふその人にとつてはこの上もない或る期待をもつてその大きな名誉心に馳られてゐるので結局は矢張り自分の為めなのです。
— 伊藤野枝 『従妹に』 青空文庫
親鸞 幾千代かけてかわるまいとな。
— 倉田百三 『出家とその弟子』 青空文庫
あの海岸に落ちた年老いた道士も、幾千代永らえたが、死際になって、仙山が大きい鼈の背に載せられたという要件を、弟子に伝え、弟子はまたその弟子に伝えたが、後世になって一人の方士が好いことをしようとして、秦の始皇に上奏し、秦の始皇は方士に命じてこれを探しめた。
— 魯迅 『不周山』 青空文庫
もう幾千代かけての契りまで結んだのだ。
— 佐藤垢石 『純情狸』 青空文庫