憂悶
ゆうもん
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
anguish
文例 · 用例
もしそれ下界の阿修羅王、八万四千の眷属を率て、蒼海を踏み、須弥山を挟み、気焔万丈虚空を焼きて、星辰の光を奪い、白日闇の毒霧に乗じて、戟を掉い、斧を振い、一度虚空に朝せんか、持国広目ありとというとも、これよりして多事ならんと、思去り思来たりて、綾子は車上に憂悶せり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
磨かぬ玉に垢着きて、清き襟脚|曇を帯び、憂悶せる心の風雨に、艶なる姿の花|萎みて、鬢の毛頬に乱懸り、俤太く窶れたり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
と御冗談めかしておつしやいましたけれども、或いは、御陽気に見えながらその御胸中には深い御憂悶を人知れず蔵して居られたのでもございませうか、その辺の事は私どもには推量も及ばぬところでございまして、ナンニモ、スルコトガナイ。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
清潔な憂悶の影がほしかった。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
憂悶どころか、阿呆づら。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
運よくして思ふこと図に当りなば傲然として人を凌ぎ、運あしくして躬蹙りなば憂悶して天を恨む。
— 北村透谷 『哀詞序』 青空文庫
深い憂悶と、人生に対する疑問とが彼を蜘蛛の網のように包みとり巻いた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
人類も緑色素を有する野菜類を長く絶つ時は、憂悶に陥り血液病に罹るが、多く野菜を取れば血液は浄められ、憂悶は快活となり顔色は蒼黄より淡紅となる。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
作例 · 標準
彼は将来への憂悶を抱え、夜も眠れなかった。
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憂悶の表情で、窓の外をじっと見つめている。
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彼女の心は、深い憂悶に包まれていた。
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