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吹き荒む

ふきすさむ
動詞-五段-マ行
1
標準
to blow violently
文例 · 用例
十月十一月、寒風の吹き荒むとともに、懐胎したカウの大群集は成長した幼獣、処女獣と南方に向って去り、半成牡も去り、そうして、かの絶倫なる諸王、ブル中の英雄たちも、不眠と絶食と間断なき性交とに、疲労困憊の極は、へとへとによろよろになってようやくに後から後から蹤いて去るのだ。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
* 私はあの時、風の吹き荒む丘の端にうづくまつて湖を見おろしてゐた。
牧野信一 「学生警鐘」と風 青空文庫
あまり風が吹き荒むので、思はず彼の博士の上を憶ひ出した。
牧野信一 「学生警鐘」と風 青空文庫
見知らぬ人、偽名、そんなことを想ふと、それが緒口になつて暗澹たる広漠の世界が思はれたり、不吉な風が山も川も木々の差別もなく吹き荒む、運命、死、恐怖――そんなありふれた、だが夥しくグロテスクな絵が浮んだり、夢のやうな不安に襲はれたり、何処か遠くの知らぬ世界に突然拉し去られるやうな寂しい思ひがした。
牧野信一 秋・二日の話 青空文庫
しかもそのH夫妻が例の轎車に乗つて、蒙古風のすさまじく吹き荒む中を、遮るものとてもない曠野の中を、小さな集落があつたりさびしい町があつたりする中を、埃塵に包まれてガタガタと進んで行くさまは、はつきりと絵になつてBの眼の前に描き出された。
田山録弥 青空文庫
などゝ切りに私達の行手をさへぎらうとするメイ子のいぢらしさに、却つて私達は活気を挙げて、待つてゐましたとばかりに凩の吹き荒む街道に飛び出した。
牧野信一 武者窓日記 青空文庫
しかも春風吹き荒むという気味だったのね。
大杉栄 獄中消息 青空文庫
とどのつまり、身に絡まる斷念の思ひは圭一郎の生涯を通じて吹き荒むことであらうとのみ想はれた。
嘉村礒多 崖の下 青空文庫