魦
いさざ
名詞
標準
文例 · 用例
」 裁判長、傍聴人、弁護士たちでさえ、すこぶる陽気に笑いさざめいた。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
私の自転車の提灯の火を見て、さては、狐火、と魂消しましたぞ、などと相かえり見て言って、またひとしきり笑いさざめくのである。
— 太宰治 『懶惰の歌留多』 青空文庫
窓の下、歳の市の売り出しにて、笑いさざめきが、ここまで聞えてまいります。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
破毛布を纏ったり、頬被で顔を隠したり、中には汚れた洋服を着たのなどがあった、四五人と道連になって、笑いさざめき興ずる体で、高岡を指して峠を下りたとのことである。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
しばらく立って聞いていると、それは襖子の向こうの中央の間に集まってしているらしい低いさざめきは、源氏自身が話題にされているらしい。
— 帚木 『源氏物語』 青空文庫
すると、集まっている人たちが笑いさざめきながら、ふたりのあいだに判決をくだすのでした。
— BILLEDBOG UDEN BILLEDER 『絵のない絵本』 青空文庫
薄手のコップに泡を立てて盛られた黄金色の酒は葉子の手の中で細かいさざ波を立てた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
夕暮に城にかえれば、少女らの笑いさざめく声、石門の外まで聞ゆ。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫