瀬音
せおと
名詞
標準
文例 · 用例
どの部屋もひっそりと寝静まった夜更に、お増の耳は時々雨続きで水嵩の増した川の瀬音に駭かされた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
疲れた頭の皮一重が、時々うとうとと眠りに沈むかと思うと、川の瀬音が苦しい耳元へ、またうるさく寄せて来たり、隣室の男の骨張った姿が、有明けの灯影におそろしく見えたりした。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
夜もすがら瀬音がたえない、それは私には子守唄だつた、湯と酒と水とが私をぐつすり寝させてくれた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
労れて、酔うて、ぐっすり寝た、瀬音も耳につかなかった。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
明けおそく暮れ早い山峡の第二夜が来た、今夜は瀬音が耳について、いつまでも睡れなかった。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
新町はお祭、四十八瀬川のほとりに組み立てられたバラツクへ御神輿が渡御された、私も参拝する、月夜、瀬音、子供の群、みんなうれしいものだつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
椹野川の瀬音、土手のさくらんぼ。
— 北九州行乞 『行乞記』 青空文庫
障子をあけたら、山が月が、瀬音が、――良い月夜になつた。
— 昭和十四年 『旅日記』 青空文庫