幻辞.com

病み

やみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
お前のほつそりした頸すぢお前のながくのばした髮の毛ねえ やさしい戀びとよ私のみじめな運命をさすつておくれ私はかなしむ私は眺めるそこに苦しげなるひとつの感情病みてひろがる風景の憂鬱をああ さめざめたる部屋の隅から つかれて床をさまよふ蠅の幽靈ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ ぶむ。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
戀びとよ戀びとよ有明のつめたい障子のかげに私はかぐ ほのかなる菊のにほひを病みたる心靈のにほひのやうにかすかにくされゆく白菊のはなのにほひを戀びとよ戀びとよ。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
酢えたる菊その菊は酢えその菊はいたみしたたるあはれあれ霜月はじめわがぷらちなの手はしなへするどく指をとがらして菊をつまんとねがふよりその菊をばつむことなかれとてかがやく天の一方に菊は病み酢えたる菊はいたみたる。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
戀びとよ戀びとよ有明のつめたい障子のかげに私はかぐ ほのかなる菊のにほひを病みたる心靈のにほひのやうにかすかにくされゆく白菊のはなのにほひを。
萩原朔太郎 定本青猫 青空文庫
今行くよ」「お前、又長くなるのじゃあるまいね」 病み疲れた、老い衰えた母は、そう訊ねることさえ気兼ねしていたのだが、辛抱し切れなくなって、囁くように言った。
葉山嘉樹 生爪を剥ぐ 青空文庫
鼎をかぶって失敗した仁和寺の法師の物語は傑作であるが、現今でも頭に合わぬイズムの鼎をかぶって踊って、見物人をあっと云わせたのはいいが、あとで困ったことになり、耳の鼻も※ぎ取られて「からき命まうけて久しく病みゐる」人はいくらでもある。
寺田寅彦 徒然草の鑑賞 青空文庫
太く短い環、古代の貞節な女に似て垂れ下った醜い肩、まるで病み疲れてサタンに生育を阻止された女が奇妙な嬌態をして、流行の衣裳と近代の手管をもって私の前に現れたのだ。
Love on Drought 恋の一杯売 青空文庫
ここでターバンを巻いた印度人、皮膚の色褪せたペルシヤ人、半黒焼のマレー人、亡国的なポルトガル人などの群に交って北京を出発してから半ヶ月後、支那の現代のシステムに出現した支那女との恋を棄てて北京以来の友である陳子文と米良は病み疲れていた。
吉行エイスケ 地図に出てくる男女 青空文庫