補陀落
ふだらく
名詞
標準
文例 · 用例
あとに頼むは老人夫婦、之が又、補陀落山から假にこゝへ、庵を結んで、南無大悲民子のために觀世音。
— 泉鏡花 『雪の翼』 青空文庫
それが或いは補陀落渡海の新たなる仏法信仰の、そこに成長してきた因縁ではないかとも私は想像している。
— 柳田国男 『海上の道』 青空文庫
途中、清原深養父の建立になる補陀落寺、小野皇太后宮の旧跡なぞをご覧になってお出でになった。
— 灌頂の巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
三河万歳と普陀洛やの合併したものと思へば大した間違にはならない。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
三河万歳と普陀洛やの合併したものと思えば大した間違いにはならない。
— 夏目漱石 『坊っちゃん』 青空文庫
また二荒を普陀落にあてゝ觀音所縁の山名に通はせ、それで觀音をきざみ、勸請などもしたのであらう、弘法の文にもはやくその洒落が見えてゐる。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
熊野では、これと同じ事を、普陀落渡海と言うた。
— 釈迢空 『山越しの彌陀』 青空文庫
御詠歌の上手な同窓生の一人が『普陀落や岸うつ波』と茶碗を箸で叩いて唄ふと、小さいおもちやの傘と、これも杉箸を杖の代りに持つてをばさんと仇名のある滑稽家の粟田が妙な身振りをして『順禮に御報捨』と可愛らしい聲を出す。
— 高濱虚子 『俳諧師』 青空文庫