ごつごつ
ごつごつ
副詞
標準
文例 · 用例
」 腰をななめにうつむきて、ひつたりとかの筧に顔をあて、口をおしつけてごつごつごつとたてつづけにのみたるが、ふツといきを吹きて空を仰ぎぬ。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
……雪が消えて、まだ間もない、乾いたばかりの――山国で――石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条煙のように、ぼっと黄昏れて行く。
— 泉鏡花 『絵本の春』 青空文庫
見兼ねたか、縁側から摺って下り、ごつごつ転がった石塊を跨いで、藤棚を潜って顔を出したが、柔和な面相、色が白い。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
軒端に草の茂った、その裡に、古道具をごつごつと積んだ、暗い中に、赤絵の茶碗、皿の交った形は、大木の空洞に茨の実の溢れたような風情のある、小さな店を指して、「あの裏に、旦那、弁慶手植の松があるで――御覧になるかな。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
手織縞のごつごつした布子に、よれよれの半襟で、唐縮緬の帯を不状に鳩胸に高くしめて、髪はつい通りの束髪に結っている。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
あすこいら一帯に、袖のない夜具だから、四布の綿の厚いのがごつごつ重くって、肩がぞくぞくする。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
時に、当人は、もう蒲団から摺出して、茶縞に浴衣を襲ねた寝着の扮装で、ごつごつして、寒さは寒し、もも尻になって、肩を怒らし、腕組をして、真四角。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
…… 枕頭の行燈の影で、ええ、その婦が、二階廻しの手にも投遣らないで、寝巻に着換えました私の結城木綿か何か、ごつごつしたのを、絹物のように優しく扱って、袖畳にしていたのでございます。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫