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暖める

あたためる
動詞
1
標準
文例 · 用例
二つ三つまた五つ、灯さきは白く立って、却って檐前を舞う雪の二片三片が、薄紅の蝶に飜って、ほんのりと、娘の瞼を暖めるように見える。
泉鏡花 薄紅梅 青空文庫
「そうだ――ああお銚子が冷めました、とこう、清葉が、片手で持って、褄の深い、すんなりとした膝を斜っかいに火鉢に寄せて、暖めるのに炭火に翳す、と節の長い紅宝王を嵌めたその美しい白い手が一つ。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
暗いあかりで足袋の継ぎはぎをして、皸あかぎれの手を、けちで炭もよくおこさないから……息で暖める隙もなしに、鬼婆の肩腰を、擦るわ、揉むわ、で、そのあげくが床の上下し、坊主枕の蔽いまで取りかえて、旦那様、御寝なれだ。
泉鏡花 卵塔場の天女 青空文庫
抱いて暖めるような態度で、大木に慰められるとたわいもなく心が落ちつく。
伊藤左千夫 廃める 青空文庫
あの愚かな闇や、自分のまはりのみを暖めることを知つてゐる貧しい蝋燭のことなど、それは、僕が夜を暗いものだと空想するとき同時にその暖い明るい休息を感じてしまふものなのだ。
立原道造 夜に就て 青空文庫
そこで田に水を落す前に溜を作っておいて、天日で暖める工夫をしたものだが、それが図にあたって、それだけのことであんな一代|分限になり上ったのだ。
有島武郎 星座 青空文庫
「はいはい、これはどうもごていねいなごあいさつで痛み入りました」 そして、自分の手あぶりを半分そちらへ回してやると、赤くかじかんでいる少年僧の豆みたいにちっちゃな両手を、上下から暖めるように持ち添えてやりながら、やさしく尋ねました。
耳のない浪人 右門捕物帖 青空文庫
幾年居なくても勝手を知つて居るので彼は柱へ懸てある手ランプを點けて、取り敢ず手足を暖める爲に麁朶をぽち/\と折つて火鉢へ燻べた。
長塚節 青空文庫
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