芋蔓
いもづる
名詞
標準
文例 · 用例
彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、刃先の白い坏を担いで、鉈豆煙管で刻煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から籔と覗き歩いた。
— 佐左木俊郎 『芋』 青空文庫
ことに、芋蔓の絡んでいそうな籔の中を覗き込む時などは、眼をぱちくりさせながら、頬を丸くふくらまして、しっきりなしに煙を吐いて、先ず芋蔓よりも何よりも、蛇が居るかどうかを確かめるのである。
— 佐左木俊郎 『芋』 青空文庫
それでもどうかすると、煙草の煙などには驚かない図々しい蛇のために、折角見つけた芋蔓まで奪われて了うことがあった。
— 佐左木俊郎 『芋』 青空文庫
やがて、独木舟を芋蔓でつないで、いよいよハチロウを負い“Niningo”の湿地へとむかった。
— 小栗虫太郎 『「太平洋漏水孔」漂流記』 青空文庫
マタ・アリはああして今度フランスのためにスパイを働くような態をしながら、じつはあれは一時逃れで、初めから名簿を持ってベルギーへ入国したら、さっそくそれをドイツ密偵部へ呈示して、片っ端から芋蔓的に処分し、その三十人のフランススパイ団を一掃しようという肚だったのだ。
— 牧逸馬 『戦雲を駆る女怪』 青空文庫
芋蔓が枯れる時には、地中の芋は、まったく成熟し切っていた。
— 徳永直 『あまり者』 青空文庫
東京へ出て成功している連中の多いことは維新以来|芋蔓の関係で此処が一番ですからね」 と小林さんが説明した。
— 佐々木邦 『ぐうたら道中記』 青空文庫
「芋蔓は確かに奇利を博したよ」 と団さんが言った。
— 佐々木邦 『ぐうたら道中記』 青空文庫