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垂れ込め

たれこめ
表現
1
標準
hanging down
文例 · 用例
若葉の垂れ込めた二階の廻廊を通る靴音が淋しく響くだけで、樹の幹の間一面に並んでいる緑の椅子と卓とには一人の客もなく、ただ白い花ばかりがいたずらに散っていた。
横光利一 旅愁 青空文庫
北の海から冷々としたうら寂しい風が吹いて来て、空にはどことなく冬のやうな底重い雲が低く垂れ込めてゐた。
小寺菊子 河原の対面 青空文庫
地面すれすれまで垂れ込めた黒雲は、生き物でもあるかのように目を光らせていた。
A. キングスフォード A. Kingsford 夢日記 青空文庫
暗黒が私を取り巻き、窓にすら垂れ込めた。
A. ブラックウッド A. Blackwood 盗聴者 青空文庫
その時も、大晦日を眼の前に控えた暮の二十五、六日から札幌を発って、有珠、登別、音威音府、名寄と言った、いずれも深々と雪に埋もれて眠ったような町々ばかり、今にもまた降り出しそうに重苦しく垂れ込めた灰色の空の下を、これという定めた計画もなく旅を続けていた。
橘外男 生不動 青空文庫
ただ、ひたひたと濃い黄昏ばかりがあたり一面に垂れ込めてくるばかりでした。
橘外男 墓が呼んでいる 青空文庫
小糠のような雨が生暖かいむんむんするような春の気を部屋一杯に垂れ込めて、甘酸っぱい梔子の匂いが雨に打たれて、咽ぶように家の中じゅうに拡がっていた。
橘外男 陰獣トリステサ 青空文庫
憂愁の帷深く垂れ込めた博士邸には、連日この問題に興味を抱くあらゆる有象無象たちが引っ切りなしに押しよせて、憂愁のうちに旅装を整えている博士を悩ませ切っていたのであろう。
橘外男 令嬢エミーラの日記 青空文庫
作例 · 標準
軒先に垂れ込めし提灯が、夜の闇にゆらめく。
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桜の花びらが、風に舞いながら枝から垂れ込めり。
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長い髪が顔に垂れ込め、彼女の表情を隠していた。
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垂れ込め(たれこめ) — 幻辞.com