空際
くうさい
名詞
標準
horizon
文例 · 用例
雪雲 天気のよい日、空際遥かに真白な雲が刷毛ではいたようにあるいは細かい鱗のように棚引いている事がある、あの雲は普通の低い雲とはちがって皆雪片から出来ているという。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
これも、少し無理な言い方をすれば庭園の自然を宇宙空際にまで拡張せんとするのであると言われないこともないであろう。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
盲目なる世眼を盲目なる儘に睨ましめて、真贄なる霊剣を空際に撃つ雄士は、人間が感謝を払はずして恩沢を蒙むる神の如し。
— 北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』 青空文庫
頭をもたげよ、而して視よ、而して求めよ、高遠なる虚想を以て、真に広濶なる家屋、真に快美なる境地、真に雄大なる事業を視よ、而して求めよ、爾の Longing を空際に投げよ、空際より、爾が人間に為すべきの天職を捉り来れ、嗚呼文士、何すれぞ局促として人生に相渉るを之れ求めむ。
— 北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』 青空文庫
茫々乎たる空際は歴史の醇の醇なるもの、ホーマーありし時、プレトーありし時、彼の北斗は今と同じき光芒を放てり。
— 北村透谷 『一夕観』 青空文庫
下手の空際には高圧線の鉄塔が見える。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
「や、あれが月待ヶ|丘です」「今夜の満月はさぞいいだろうな」と私はその丘の空際をふり仰いだ。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
日は山角に波まんとして空際の片雲色殊に鮮かなり。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫