又無い
またない
形容詞
標準
unique
文例 · 用例
それでゐてこんな夢のやうなものを八ヶ月もかゝつて譯したのは、恐らく餘りに切實な人生に堪へられないで、古い昔の、有つたやうな又無いやうな物語に、疲れ過ぎた現代的の心を遊ばせる積りではなかつたでせうか、もし左右ならば私も全く御同感です。
— 夏目漱石 『『傳説の時代』序』 青空文庫
妾は大切な姉様の、世にも目出度い御仕合わせ、 嬉しい事と思いつつ、楽しい事と思いつつ、 自分は独り居残って、昨夜の夢の御姿、 白いお髪の御方を、又無いものと慕うては、 淋しく暮す身の上を、誰かあわれと思おうか。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫
ただ多くの所謂範疇論がとった様々の形の基に、或る一定の「条件」があり或いは又無いということだけを取り出して見ることが出来るならば、充分である。
— ――之は一つの習作である―― 『範疇としての空間に就いて』 青空文庫
四百|年も以前のことで、大変記憶は薄らぎましたが、ざっと私のその時の実感を述べますると――何よりも先ず目立って感じられるのは、気がだんだん遠くなって行くことで、それは丁度、あのうたた寝の気持――正気のあるような、又無いような、何んとも言えぬうつらうつらした気分なのでございます。
— 浅野和三郎 『霊界通信 小桜姫物語』 青空文庫
又無いのが当り前なのだ。
— 戸坂潤 『思想としての文学』 青空文庫
このように外界を標準として外界を判断する事は何も物理学者をまたない、だれでも日常知らず知らずに行なっている事である。
— 寺田寅彦 『物理学と感覚』 青空文庫
それですから私もそのつもりでつきあって、随分やつの力にもなってやり、時には金の用までたしてやりましたのでやつはなお私をまたない友と信じ、二日ばかり私が風邪をひいた時など一日は仕事を休んで私のそばに附いていたことさえござります。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
また、元の時代のかの地の三弦一名コフジ、一名コフシ、一名クヮフシ、一名コハシなど称するものと関係があるような、またないようなことも書いてある。
— 寺田寅彦 『日本楽器の名称』 青空文庫
作例 · 標準
この名刀は、現代の技術をもってしても再現不可能な又無い逸品だ。
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幼なじみと結婚できたことは、私にとって又無い幸せです。
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彼のような類まれなる才能の持ち主は、今の業界には又無い存在だろう。
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