槽櫪
そうれき
名詞
標準
文例 · 用例
千里の竜馬|槽櫪の間を脱して鉄蹄を飛風に望んで快走す、何者も其奔飛の勢を遏止する能はず、何物も其行く所を預想する能はず。
— 山路愛山 『明治文学史』 青空文庫
然れ共、若し遇ふ能はずンば、彼等は千里の駿足を以て、彼等の轗軻に泣き、彼等の不遇に歎じ、拘文死法の中に宛転しつゝ、空しく槽櫪の下に朽死せざる可からず。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
さあ話賃に一杯|注げ注げ」 なみなみと注がせし猪口を一息にあおりつつ、 「なあお豊、今も母さんと話したことだが、卿も知っとるが、武男さんの事だがの――」 むなしき槽櫪の間に不平臥したる馬の春草の香しきを聞けるごとく、お豊はふっと頭をもたげて両耳を引っ立てつ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
さあ話賃に一杯|注げ注げ」 なみなみと注がせし猪口を一息にあおりつつ、「なあお豊、今も母さんと話したことだが、卿も知っとるが、武男さんの事だがの――」 むなしき槽櫪の間に不平臥したる馬の春草の香しきを聞けるごとく、お豊はふっと頭をもたげて両耳を引っ立てつ。
— 徳冨蘆花 『小説 不如帰』 青空文庫