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絵看

えみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
そこを出て、ぶらぶら歌舞伎座の前まで行って、絵看板を見て、さて、それからまた新富町の研究所へ引返した。
太宰治 正義と微笑 青空文庫
ただ意味もなく、活動小屋の絵看板見あげたり、呉服屋の飾窓を見つめたり、ちえっちえっと舌打ちしては、心のどこかの隅で、負けた、負けた、と囁く声が聞えて、これはならぬと烈しくからだをゆすぶっては、また歩き、三十分ほどそうしていたろうか、私はふたたび私の家へとって返した。
太宰治 黄金風景 青空文庫
続き、上下におよそ三四十枚、極彩色の絵看板、雲には銀砂子、襖に黄金箔、引手に朱の総を提げるまで手を籠めた……芝居がかりの五十三次。
泉鏡花 革鞄の怪 青空文庫
少くとも、あの、絵看板を畳込んで持っていて、汽車が隧道へ入った、真暗な煙の裡で、颯と化猫が女を噛む血だらけな緋の袴の、真赤な色を投出しそうに考えられた。
泉鏡花 革鞄の怪 青空文庫
ふと絵看板を見ると、大きな沼で老若男女が網を曳いているところがかかれていて、ちょっと好奇心のそそられる絵であった。
太宰治 黄村先生言行録 青空文庫
この絵看板の沼は、あの「いかぬ老頭」の庭の池を神秘めかしてかいたのだろう。
太宰治 黄村先生言行録 青空文庫
江の島の橋のたもとに、新宿へ三十分、渋谷へ三十八分と、一字一字二尺平方くらいの大きさで書かれて居る私設電車の絵看板、ちらと見て、さっさと橋をわたりはじめた。
太宰治 虚構の春 青空文庫
半七は向う側の心太屋の婆さんに訊いて、そこだと教えられた河童の観世物小屋のまえに立って見あげると、白藤源太らしい相撲取りが柳の繁っている堤を通るところへ、川の中から河童が飛び出して、その行く先を塞ぐように両手をひろげている絵看板が懸けてあった。
お照の父 半七捕物帳 青空文庫