絵所
えどころ
名詞
標準
文例 · 用例
また絵所に幾人も画家がいますが、席上の絵の描き手に選ばれておおぜいで出ます時は、どれがよいのか悪いのかちょっとわかりませんが、非写実的な蓬莱山とか、荒海の大魚とか、唐にしかいない恐ろしい獣の形とかを描く人は、勝手ほうだいに誇張したもので人を驚かせて、それは実際に遠くてもそれで通ります。
— 帚木 『源氏物語』 青空文庫
柳営|絵所預りは法眼|狩野融川であったが、命に応じて屋敷に籠もり近江八景を揮毫した。
— 国枝史郎 『北斎と幽霊』 青空文庫
」「身|不肖ながら狩野宗家、もったいなくも絵所預り、日本絵師の総巻軸、しかるにその作入れられずとあっては、家門の恥辱にござります!
— 国枝史郎 『北斎と幽霊』 青空文庫
――さきごろ、絵所の工匠を総がかりで写させたものだ。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
遊山姿の絵所の絵師――というつもりで、かく入念に、扮装してまいったものを」「なかなか」 と、菊王は首を振って。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
でもなお、執こく何か言いながら、馴々しげに寄って来る山伏なので、その厚顔しさを叱るように、また、「こなたは、弁殿というて、絵所の絵師でおわせられる。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
わしは絵所の絵師だからの」「へへへへへ」「身まま気ままよ。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫
もちろん、供奉の公卿百官から滝口(近衛兵)の甲冑まで、洩るるはなき鹵簿であったが、俊基朝臣だけは、天皇のお還幸を仰いだ後も、あとの残務にとどまるものと見せて、じつは飄然、絵所の一絵師と名のって、その旅姿を、ひとり河内路へそれて来たものだった。
— 婆娑羅帖 『私本太平記』 青空文庫