痺
痺
名詞
標準
文例 · 用例
それから、直ぐに麻痺させる注射をした。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
嘉代吉と人夫が荷を卸して、油紙で庇を拵えてくれるのを、待ち兼ねて、石の中へ潜って寝た、雨はざんざ降りになって、庇から岩を伝わっては、ポタポタ雫が落ちる、防水布の外套に包まれて、ココアを一杯興奮剤に飲んだまま、飯も喰わずにたわいもなく痲痺したようになって寝た。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
待ってる方は痺れを切らしても、逃げると云う事はないからね。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
どんな思いをしても、大山は酒を飲んで、麻痺したような状態になって、泥酔の睡りを買った。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
良心を、余りに淫逸に耽溺させ、アルコールに麻痺させた資本家共の瘡蓋だらけの良心には、「人類の理想」や「地上に於ける民衆の結合」や、「神の意志の体現」などは、到底分りつこはないのである。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
労働者たちは、皆この感受性を麻痺させられてしまったのだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
自分は、かつて聖書の研究の必要から、ギリシャ語を習いかけ、その異様なよろこびと、麻痺剤をもちいて得たような不自然な自負心を感じて、決して私の怠惰からではなく、その習得を抛棄した覚えがある。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
痲痺してしまって平気になった。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫