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名詞
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標準
文例 · 用例
やさしい五月の死びとよわたしは緑金の蛇のやうにのたうちながらねばりけのあるものを感觸しさうして「死」の絨に肌身をこすりねりつけた。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
黎明来ると共に暗黒の悪者どもは忽ち姿を消す、そのさまあたかも絨の四隅を取らえてこれより塵を払い退けるが如くであるというのである。
内村鑑三 ヨブ記講演 青空文庫
もう些と、綺麗な窓掛、絨を飾っても遣りたいが、庭が狭いから、羽とともに散りこぼれる風情の花は沢山ない。
泉鏡花 二、三羽――十二、三羽 青空文庫
縁を広く、張出しを深く取った、古風で落着いただけに、十畳へ敷詰めた絨の模様も、谷へ落葉を積んだように見えて薄暗い。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
……次にまた浴衣に広袖をかさねて持って出た婦は、と見ると、赭ら顔で、太々とした乳母どんで、大縞のねんね子|半纏で四つぐらいな男の児を負ったのが、どしりと絨に坊主枕ほどの膝をつくと、半纏の肩から小児の顔を客の方へ揉出して、それ、小父さんに(今日は)をなさいと、顔と一所に引傾げた。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
」 絨を縫いながら、治兵衛の手の大小刀が、しかし赤黒い電燈に、錆蜈蚣のように蠢くのを、事ともしないで、「何が、犬にも牙がありゃ、牛にも角があるだあね。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
何矢張道は同一で聞いたにも見たのにも変はない、旧道は此方に相違はないから心遣りにも何にもならず、固より歴とした図面といふて、描いてある道は唯栗のの上へ赤い筋が引張つてあるばかり。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
白鳥が提灯のように膨らんだ、月のように縮んだ、のようにはずんだ、花のようにゆがんだ、車のようにめぐった。
岡本かの子 伯林の落葉 青空文庫