油絞り
あぶらしぼり
名詞
標準
文例 · 用例
それらは手業掛り、牡蠣灰掛り、畑掛り、油絞り掛り、舂場掛り、見張番所掛り、そのほか寄場|差配、医者、教師などもいるそうだが、これらはのちにひきあわせるということであった。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
牡蠣灰を焼くのも楽ではないが、もっとも激しい作業は油絞りで、これにはよほど躰力のすぐれた者でも、長くは続かないということであった。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
「油絞りの連中は相撲とりみてえな躯で、みんなべらぼうな力持ちだ」と万吉は続けた、「その中にこぶっていう仇名のある野郎がいる、首のここんとこに瘤があるんだが、そいつがまたくそ力のある暴れ者で、なかまの四、五人を相手に喧嘩をしても負けたためしのねえって野郎だ」 松造は三十一、おとよは三十だという。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
六月はじめの或る日、油絞りのこぶが暴れだして大騒ぎになった。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
灰焼場の建物のこっちに、油絞りの建物があり、そのまわりはかなり広い空地で、そこに人足や役人たちが、まばらな人垣をつくっていた。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
清七の暴行で下役人の二人が手と足の骨を折られ、止めにはいった油絞りの人足が一人、頭を割られた。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
油絞りは苦しい重労働であるが、百姓生れの辛抱づよさと、ずばぬけた躰力とで、彼は誰にも負けない存在となった。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫
「油絞りの小屋は頑丈だ」と胸まである水をわけてゆきながら清七は云った、「あれは風では倒れねえ、だが絞った油の壺が流される」 栄二は役所の建物にとりついた。
— 山本周五郎 『さぶ』 青空文庫