金帛
きんぱく
名詞
標準
文例 · 用例
金帛を以て謝することの出来ぬものも、米穀|菜蔬を輸って庖厨を賑した。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
棠軒は遺物「黒絽御羽織」並金帛を賜つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
「これこそ真箇の婿だ、女もまた神だ、沒くなって二十三年も経って、生きた人と交往していた」 そこで王妃は道度を※馬都尉にし、金帛車馬を賜うて本国の隴西へ帰らした。
— 田中貢太郎 『黄金の枕』 青空文庫
三、近年詮挙進途の権家は、皆その方親族の者ばかりにて、その方の召使いの妾等を願望の媒となし、度々登城仕らせ、殊に数日逗留、その節莫大の金帛相い贈り、内外の親睦を結び置き候儀、不届き至極。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
并齎詔賜金帛錦、緜衣、帛布、丹、木到官。
— 内藤湖南 『卑彌呼考』 青空文庫
時には以夷制夷の策を採ることもあるが、多くの場合、金帛を贈つてその歡心を買ひ、彼等の侵入劫掠を緩和するのが、歴代慣行の政策であつた。
— 桑原隲蔵 『支那人の文弱と保守』 青空文庫
或は宗女を與へ、或は金帛を贈り、或は土地を割いて彼等の歡心を買ひ、彼等の掠奪を緩和するのが、歴代慣行の政策であつた。
— 桑原隲蔵 『支那人の妥協性と猜疑心』 青空文庫
試みに秦以後の支那の外交史を達觀すると、漢の高祖は群雄平定の餘威を藉り、三十萬の大軍を率ゐて匈奴を親政したが、白登の一敗に意氣銷沈し、或は宗女を與へ或は金帛を遺り、ひたすら彼等の歡心を買うた。
— 桑原隲藏 『秦始皇帝』 青空文庫