憤発
ふんぱつ
名詞
標準
文例 · 用例
かかれば到底合祀の好結果は短日月に見るを得ざる、そのうちに人心離散、神道衰頽、罪悪増長、鬱憤発昂、何とも名状すべからざるに至らんことを杞憂す。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
これまで賊徒に従う譜代臣下の者たりとも、悔悟|憤発して国家に尽くす志あるの輩は寛大の思し召しをもって御採用あらせらるべく、もしまた、この時節になっても大義をわきまえずに、賊徒と謀を通ずるような者は、朝敵同様の厳刑に処せられるであろう。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
近く両三年以前、フランスとプロイセンとの戦いに、両国接戦のはじめ、フランス帝ナポレオンはプロイセンに生け捕られたれども、仏人はこれによりて望みを失わざるのみならず、ますます憤発して防ぎ戦い、骨をさらし血を流し、数月籠城ののち和睦に及びたれども、フランスは依然として旧のフランスに異ならず。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
大なる動機は与へられたり、大なる憤発は生ぜり、彼が後年史学を以て自ら任ずる者|蓋し端を此に発す。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
二ニ私共|初、太郎無異儀憤発出勢罷在、御安慮奉願候。
— 慶応元年九月七日 坂本権平、乙女、おやべあて 『手紙』 青空文庫
○此頃幕ニも大ニおれ合、薩州にこび候事甚しく、然レども将軍ハよ程の憤発にて、平常に異り候事共おゝく、ゆだん不成と申合候。
— 慶応三年二月二十二日 三吉慎蔵あて 『手紙』 青空文庫
然ニ先日の御書中大芝居の一件、兼而存居候所とや、実におもしろく能相わかり申候間、弥憤発可仕奉存候。
— 慶応三年九月二十日 木戸孝允あて 『手紙』 青空文庫
しかして彼のごとく憤発激昂みずから進んでやまざるゆえんのものは自家頭上に禍福安危の応報あればなり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫